Ⅱ-18.はう様は宇宙をはらむ

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 宴の夜。
 "死"が蠢く中を、その神獣は我が物顔でのぞりのぞりと這い歩き、巨大な宇宙への入り口を広げていた。
 その神獣は、かつては"這う者"と呼ばれていた。
 巨大なサンショウウオの姿をしたそれは、その体躯から来る存在感は凄まじいものがあったが、鈍重な動きで、爪や牙などの部位もなく、丸みを帯びたどこか愛嬌さえ感じさせるその姿は、いつからか"かわいい"と言われるようになり、畏敬の意も含め"はう様"と呼ばれるようになった。
 特に何かを為すことはしない神獣であるはう様も、いつの間にか享楽の宴に混ざるようになり、巨大な体躯に見合った巨大な口を広げ、"死"を飲み込む。
 はう様の胃は、宇宙と呼ばれる限りなく無限に近い有限の世界であると言われており、そこに飲み込まれた"死"は果たしてどうなるのかは様々な推測がされており、胃の中を永遠に彷徨い続ける。宇宙の材料へと変化される。などが代表的である。
ファンタジー
公開:21/08/05 22:45
更新:21/08/05 23:09
連作 ファンタジー ハロウィン

Arujino( 東京都練馬区 )

まずは、こんにちは。

練馬区で活動中の、趣味の絵描きです。

小説・脚本なども執筆してます。

【番号なし】 用語・設定解説

【Ⅰ】 連載作品『WonDer BroS』 探偵と怪盗の対決が娯楽化した世界での物語。

【Ⅱ】 短編連作『Story Of Dri(P)Party』

【Ⅲ】 連載作品『根源悪の牧場』 戦争による差別と弾圧に支配された世界での物語。

【Ⅳ】 連載作品『ドライワンダーに遣う』

【001~】 短篇集『short TaleS』
 

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