自宅警備侍

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拙者、名を井口小五郎と申す。実を申すと偽名なのである。本名を井口悟と申す。なぜ小五郎と名乗ったのかというと拙者は大剣豪、佐々木小次郎に憧れているのでござる。そして井口小五郎は、佐々木小次郎の弟という設定でござる。拙者、今年で四十六歳になる。仕事は自宅警備の仕事でござる。

「悟。部屋の前にご飯置いておくわね。冷めないうちに食べなさい」

扉越しに母上の声が聞こえた。いつもかたじけない。

「キャーー!!泥棒!!」

母上の声が聞こえた。拙者はこの時を何十年も待っていた。

「むっ!?曲者か!?」

昔、修学旅行で買った木刀を手に拙者は部屋を飛び出し、母上の元へ向かった。そこには泥棒がおった。

「拙者、名を井口小五郎と申す。大剣豪、佐々木小次郎の弟である」
「な、何を訳わかんねぇ事言ってんだ!!」
「参る!!」

木刀で泥棒を成敗した。母上は警察……いや、町奉行を呼び、泥棒は御用となった。
公開:21/08/03 19:32
更新:21/08/03 19:45

富本アキユ( 日本 )

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・作詞を担当
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