飛行する亀天丼

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その、亀の形をしたUFOは、天丼の雨を都心に降らせた。

天丼の器が瀬戸物で頭に大怪我を負う人、プラスチックだったから難を逃れた人。
好みのエビ天が落ちてきた人もいれば、椎茸の天ぷらが落ちてきて絶叫する人もいた。

椎茸の天ぷらは再び宙を舞い、亀型UFOにぶつけられた。
エビ天を食べた人は、口を開け、上を向いて歩き続けた。

そのうち一部の群衆がナスやピーマンを落とさないよう懇願しはじめた。
亀はその願いを聞き入れ、大量の天つゆと天かすをばら撒いて銀河の彼方に去って行った。
SF
公開:21/08/03 16:31

短太郎(たんたろう)

徒然と書いてゆく所存です。
3日に1話ぐらいの投稿ペース目指して頑張ろうと思っています。
文章練習兼ねていますので、厳しいお言葉から優しい褒め言葉まで、反応いただけると嬉しいです。

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