宝探し

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今日は幼馴染の男の子と二人で宝探しに行く事になっている。山の中をひたすら歩いていき、ようやく頂上に辿り着いた頃には、夕日が出てきていた。

「わあ!!凄く綺麗!!」

その夕日の美しさに私は、感動のあまり声が出た。

「これが宝物だよ。綺麗だろ?これをお前に見せたかったんだ」
「凄いね!!」
「さあ帰ろうか」

帰り道、辺りはすっかり暗くなっていた。

「暗いから気を付けろよ」
「う、うん……」

その時だった。
急に緑色に光る物体が多数出現した。

「えっ!?何これ!?」
「蛍だよ。これが宝物だよ。綺麗だろ?これをお前に見せたかったんだ」
「凄い!!綺麗!!」

山道を下っていると、一台の軽トラが通りかかった。おじさんに乗っていくか?と言われ、荷台に乗せてもらった。

「人の親切。これが宝物だよ。綺麗だろ?これをお前に見せたかったんだ」

この世は、宝物で溢れている。そんな夏の夜だった。
公開:21/08/03 11:06

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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ブラウン・シュガー
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