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両親に付き添われ診察室を訪れた少年。
母親の腕を掴みひどく怯えた様子だ。
「症状は紛れもなく閉所恐怖症ですが…」
医師はそう言い外光が入り明るい室内を見回した。
「問題は何故この状況で発症しているのか…」そう独りごちた。
「しょうちゃん。窓も開いてるしこんなに明るいしママとパパも傍にいるのよ。何も怖い事なんかないのよ」
母は怯える我が子の丸まった背中に言い聞かせた。
少年は首を横に振る。
「この症状はいつから?」背中を擦る母親に代わり父親が答えた。
「先週からです。妻が言うには図書館に出かけてから様子が変わったとか」
カルテに記し、医師は少年に前かがみで近づき優しく語りかける。
「図書館で何の本を読んだのかな?」
「う…ちゅう」「ん、…宇宙?」
少年が部屋の隅を指差した。
「どうして真っ暗で周りに何も無いのにみんな怖くないの…?」
棚の上にはインテリアで置いた地球儀がある。
母親の腕を掴みひどく怯えた様子だ。
「症状は紛れもなく閉所恐怖症ですが…」
医師はそう言い外光が入り明るい室内を見回した。
「問題は何故この状況で発症しているのか…」そう独りごちた。
「しょうちゃん。窓も開いてるしこんなに明るいしママとパパも傍にいるのよ。何も怖い事なんかないのよ」
母は怯える我が子の丸まった背中に言い聞かせた。
少年は首を横に振る。
「この症状はいつから?」背中を擦る母親に代わり父親が答えた。
「先週からです。妻が言うには図書館に出かけてから様子が変わったとか」
カルテに記し、医師は少年に前かがみで近づき優しく語りかける。
「図書館で何の本を読んだのかな?」
「う…ちゅう」「ん、…宇宙?」
少年が部屋の隅を指差した。
「どうして真っ暗で周りに何も無いのにみんな怖くないの…?」
棚の上にはインテリアで置いた地球儀がある。
その他
公開:21/08/03 10:20
まずは自分が楽しむこと。
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