ランウェイ

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私の部屋には母から贈られた蘭の鉢が飾ってある。
パワハラ。セクハラ。残業。働き方改革は拡大しているけどまだまだストレス社会だ。
ランナウェイ。私は都会から逃げ出した。母が営むラン農園の手伝いをするためという理由で会社を辞めた。

お花の栽培は繊細で難しく大変だ。水やり、光、室温や湿度調整、土の環境など気を配ることがたくさんある。簡単な仕事ではない。それでもお母さんは楽しそうだった。少し天然だけれど、いつも笑顔で優しいお母さん。とことん蘭が大好きなんだそうだ。

私は徐々に仕事を覚えていった。


お母さんが愛したこのラン農園を私は終わらせたくなかった。幼馴染や地域の人たちも助けてくれている。

今年も綺麗な蘭の花たちが出荷されていくよ。
お母さんにちなんで命名された品種の蘭も育ったよ。

私。高く飛ぶよ。
これが私の花の道。蘭の道。
蘭ウェイ。

空から見ていてくれているかな。
お母さん。
その他
公開:21/08/03 23:53
ラン 農園 栽培 ランウェイ ランナウェイ 日常

前虎( https://mobile.twitter.com/mae10ra )

はじめまして。
前虎と申します。
作品を読んでいただけたら嬉しいです!
よろしくお願い致します。
「小説家になろう」さんにも掲載中です☆

 

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