トマト鍋
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回覧板で「トマト鍋選手権開催のお知らせ」が回ってきた。町おこしのイベントらしい。これはチャンスだ。トマト農家の塩蔵は思った。これに勝てば、いや、勝てなくても何か話題になるようなことができたら、もっと俺の作ったトマトを食べてもらえる。塩蔵は早速作戦を考えた。
そうだ、鍋として使えるような大きなトマトを作ろう。しかし、トマト鍋を火にかけたらあっという間にクタクタになってしまうだろう。とりあえず鍋大のトマトを作り、それを鍋に入れるか?いや、それじゃインパクトが無い。やはり鍋の代わりにトマトを使わなければ。内側はトマトとして食べられ、外は鉄のように硬いトマトを作ろう。
30年後、塩蔵は理想のトマトを作り上げた。鍋のように大きく、どんなに火にかけても崩れないトマト。塩蔵は町役場に行き、トマト鍋選手権への参加申し込みをしようとした。
「あーそれね、20年前に終わっちゃったんですよね」
そうだ、鍋として使えるような大きなトマトを作ろう。しかし、トマト鍋を火にかけたらあっという間にクタクタになってしまうだろう。とりあえず鍋大のトマトを作り、それを鍋に入れるか?いや、それじゃインパクトが無い。やはり鍋の代わりにトマトを使わなければ。内側はトマトとして食べられ、外は鉄のように硬いトマトを作ろう。
30年後、塩蔵は理想のトマトを作り上げた。鍋のように大きく、どんなに火にかけても崩れないトマト。塩蔵は町役場に行き、トマト鍋選手権への参加申し込みをしようとした。
「あーそれね、20年前に終わっちゃったんですよね」
その他
公開:21/11/11 16:07
文章を書くのが大好きです。
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