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「博士。世紀の大発明をなぜ発表しないのですか?」
助手は不服そうに尋ねた。
「これは失敗作なんだ」
「そんな!完璧な代物です。食料問題が一気に解決しますよ」
そう言って助手は皿に乗った茶色い固形物を頬張った。
「こら、とにかく世に出回ったらとんでもない事になる。コレは廃棄する」
詳細な書類もろともゴミ箱に捨てた。
半年後、世間は完全食品『PF1』の発表に沸いていた。
「この角砂糖サイズで成人1日分の栄養が全て賄えるのです」
取材に応える開発者の映像に博士は面食らう。
それは捨てた書類と共に忽然と姿を消したかつての助手だった。
そのニュースを見る博士の表情は固い。
「逮捕されたPF1の開発者が今護送されていきます」
『極限まで簡略化した食事』を流行させた事で食に関連する企業の売上が著しく低迷した。最終的には景気に大打撃を与えることになる。
PF1は危険薬物に指定されたとニュースは伝えた。
助手は不服そうに尋ねた。
「これは失敗作なんだ」
「そんな!完璧な代物です。食料問題が一気に解決しますよ」
そう言って助手は皿に乗った茶色い固形物を頬張った。
「こら、とにかく世に出回ったらとんでもない事になる。コレは廃棄する」
詳細な書類もろともゴミ箱に捨てた。
半年後、世間は完全食品『PF1』の発表に沸いていた。
「この角砂糖サイズで成人1日分の栄養が全て賄えるのです」
取材に応える開発者の映像に博士は面食らう。
それは捨てた書類と共に忽然と姿を消したかつての助手だった。
そのニュースを見る博士の表情は固い。
「逮捕されたPF1の開発者が今護送されていきます」
『極限まで簡略化した食事』を流行させた事で食に関連する企業の売上が著しく低迷した。最終的には景気に大打撃を与えることになる。
PF1は危険薬物に指定されたとニュースは伝えた。
SF
公開:21/11/08 05:00
更新:21/11/09 09:14
更新:21/11/09 09:14
まずは自分が楽しむこと。
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