妹VS姉貴
0
2
妹に夏の読書感想文で書くおすすめの本教えて〜と言われ、本に全く縁のなかった私は、引き合いに何とか唯一読んだことのある恋愛小説を持ち出せたのだった。
なのに妹は「なんで〜?」と訊く。
「あのね。この本はね。九歳の時に読んで、お姉ちゃんすっごくキュンキュンした覚えがあるの。でもね。その時の『感じ』って言うのは、今じゃ味わえなくなっちゃって。大学生にもなると感受性が弱まるっていうか……」
「なんで〜?」
「なんで?」
むむ。やはり我が妹は手強い。「だからね。今の由里にはぴったりだと思うの。友達も、子どもの頃は感受性が強かった、って言ってるし」
「なんで〜?」
「だからね」
「なんで、感受性が、強かったの〜?」
「……」
「なんで〜?」
……。
「いい?学校で習うんだけどね。『感性の法則』ってのがあるのね。理科だったんだけど」
「お姉ちゃん1」
「──だったんだけどね」
なのに妹は「なんで〜?」と訊く。
「あのね。この本はね。九歳の時に読んで、お姉ちゃんすっごくキュンキュンした覚えがあるの。でもね。その時の『感じ』って言うのは、今じゃ味わえなくなっちゃって。大学生にもなると感受性が弱まるっていうか……」
「なんで〜?」
「なんで?」
むむ。やはり我が妹は手強い。「だからね。今の由里にはぴったりだと思うの。友達も、子どもの頃は感受性が強かった、って言ってるし」
「なんで〜?」
「だからね」
「なんで、感受性が、強かったの〜?」
「……」
「なんで〜?」
……。
「いい?学校で習うんだけどね。『感性の法則』ってのがあるのね。理科だったんだけど」
「お姉ちゃん1」
「──だったんだけどね」
その他
公開:21/11/09 19:13
2021年2月に、物語を考えるのが好きで始めました。
もしよければ、コメント残して頂けると嬉しいです。よろしくお願いします。
追記:2021.11.14 名前を『藤崎正』(フジサキショウ)に改名しました。一応分かりずらいと思うので、旧名(セカンドオニオン)は、付け足しで残しておこうと思います。
物語.com https://monogatary.com/user_page/story/f73e9d0f-3f97-11ec-81c5-0242ac120002
コメントはありません
ログインするとコメントを投稿できます