一の酉で逢いましょう
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三ノ輪駅。午前11時。すでに鷲神社に向かって人の流れができている。途中、屋台でベビーカステラを買い、つまみながら歩く。段々人の密度が高くなり、最後には押し合いへし合いしながら神社に入る。
馴染みの店で熊手を吟味し、結局は昨年と同じようなものを買う。ぐるっと場内を歩いた後、切り山椒の店を冷かしながら出口に向かう。
あの人はもう来ているだろうか。
偶然、飲み屋で相席になった男性。意気投合し、酒を酌み交わし、「これからは毎年一の酉の後、こうして飲もう」と約束をした。はっきりとした顔を覚えていない。しかし、独特の雰囲気のある人だった。
店に入る。ぐるっと見回したがそれらしい人はいない。まだ来ていないのか?
「おーい、こっちこっち」ふいに店の奥から声をかけられた。「約束通り来たな」確かにあの男性の声だ。しかし姿が見えない。「なんでも好きなものを食え、俺の奢りだ」
神棚の熊手がカタっと傾いた。
馴染みの店で熊手を吟味し、結局は昨年と同じようなものを買う。ぐるっと場内を歩いた後、切り山椒の店を冷かしながら出口に向かう。
あの人はもう来ているだろうか。
偶然、飲み屋で相席になった男性。意気投合し、酒を酌み交わし、「これからは毎年一の酉の後、こうして飲もう」と約束をした。はっきりとした顔を覚えていない。しかし、独特の雰囲気のある人だった。
店に入る。ぐるっと見回したがそれらしい人はいない。まだ来ていないのか?
「おーい、こっちこっち」ふいに店の奥から声をかけられた。「約束通り来たな」確かにあの男性の声だ。しかし姿が見えない。「なんでも好きなものを食え、俺の奢りだ」
神棚の熊手がカタっと傾いた。
その他
公開:21/11/09 14:57
更新:21/11/09 16:40
更新:21/11/09 16:40
文章を書くのが大好きです。
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