正直者が夜の沼にいる
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深夜、ベッドから半身起き上がってぼうっとしていた。
明日全てを終わろうとそう決めて、そして今その明日が終わった。僕は今から終わらなくてはならない。
窓を開けると、肌を刺すような風が吹き込んできた。そこに少し、春の匂いがする。
寒い海に飛び込もうか。
僕の家から少し歩くと、大きな沼がある。あまり綺麗とは言えないけど、冷たくて大きな水溜りだ。死ぬには十分だと思う。
沼にむかう途中に、金銀を敷き詰めたような星々を見つけた。外に出たのは久しぶりだった。
沼の水面を見つめていると、自分のことが随分と間抜けな気がしてきた。
「あ」
視界が歪んで、身体中が寒さを訴える。呼吸ができないことに気がついて、水面へと空気を求めて浮上した。
足を滑らせたようだ。
あなたが落としたのは金の身体ですか、銀の身体ですか。
「いいえ、僕が落としたのは明日です」
正直な僕は、翌日風邪をひいた。
明日全てを終わろうとそう決めて、そして今その明日が終わった。僕は今から終わらなくてはならない。
窓を開けると、肌を刺すような風が吹き込んできた。そこに少し、春の匂いがする。
寒い海に飛び込もうか。
僕の家から少し歩くと、大きな沼がある。あまり綺麗とは言えないけど、冷たくて大きな水溜りだ。死ぬには十分だと思う。
沼にむかう途中に、金銀を敷き詰めたような星々を見つけた。外に出たのは久しぶりだった。
沼の水面を見つめていると、自分のことが随分と間抜けな気がしてきた。
「あ」
視界が歪んで、身体中が寒さを訴える。呼吸ができないことに気がついて、水面へと空気を求めて浮上した。
足を滑らせたようだ。
あなたが落としたのは金の身体ですか、銀の身体ですか。
「いいえ、僕が落としたのは明日です」
正直な僕は、翌日風邪をひいた。
その他
公開:21/11/04 03:53
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