パンチパーマ

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変なお客さんを引き寄せる謎の能力がある私の元には、今日も変なお客さんがやってくるのだ。
私は美容師。一度変なお客さんがついてしまうと、長い時間、そのお客さんの相手をしなくてはいけないのである。

店の開店と同時にやってきたのは、いかにも不良上がりという感じのヤンチャそうな若いお兄ちゃんだった。

「いらっしゃいませ」
「おう。空いてる?すぐできる?」
「はい、大丈夫です」

そして椅子に座ってもらい、どのような髪型にするかを聞いた。

「今日はどんな感じでいきましょう?」
「パンチパーマって出来る?」
「ええ、できますよ。でも髪が長いので、かなり切らせてもらうんですけどいいですか?」
「あー、違う。ワイの説明が悪かったな。パンチパーマってのは、髪の毛で拳の形を作って欲しいんや。ワイ、明日ボクシングの試合やねん。見た目で一発かましたろ思とるねん」

……それ、戦いにくくね?
公開:21/11/07 10:49

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

https://youtu.be/frouU2nCPYI

・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

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ブラウン・シュガー
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