再会
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「あれ、もしかして、真梨?」
本屋で声をかけられた。
相手は茶色の長い髪の女性。マスクをかけているので、誰かよくわからない。
「はい、そうですけど?」
「わたし、奈津美。覚えてる?」
「もちろん」
声がはずんだ。小学三年で転校するまで、ずっと仲良しだった幼馴染だ。
「マスクしてたのに、よくわかったね」
「あ、手で気づいたから」
そう言われて、私は手を開いた。薄い緑色の水かき。これが生えてきたので、海の中の学校に転校したのだ。
エラ呼吸が始まる前に。
電話が通じないので、最初は手紙のやり取りをしていたのだが、子供のことで何となく止めてしまった。
「最近のマスクは高性能だから、陸に出てこれるようになって。また、よろしくね」
「こちらこそ」
差し出した奈津美の手にはフサフサとした茶色の毛が生えている。
何の動物の毛か、尋ねるのは次に会った時にしようと思った。
本屋で声をかけられた。
相手は茶色の長い髪の女性。マスクをかけているので、誰かよくわからない。
「はい、そうですけど?」
「わたし、奈津美。覚えてる?」
「もちろん」
声がはずんだ。小学三年で転校するまで、ずっと仲良しだった幼馴染だ。
「マスクしてたのに、よくわかったね」
「あ、手で気づいたから」
そう言われて、私は手を開いた。薄い緑色の水かき。これが生えてきたので、海の中の学校に転校したのだ。
エラ呼吸が始まる前に。
電話が通じないので、最初は手紙のやり取りをしていたのだが、子供のことで何となく止めてしまった。
「最近のマスクは高性能だから、陸に出てこれるようになって。また、よろしくね」
「こちらこそ」
差し出した奈津美の手にはフサフサとした茶色の毛が生えている。
何の動物の毛か、尋ねるのは次に会った時にしようと思った。
ファンタジー
公開:21/11/06 16:04
更新:21/11/21 23:38
更新:21/11/21 23:38
ワイルドワールドシリーズ
名作絵画ショートショートコンテストで「復元師」が太田忠司賞を受賞しました。
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「ショートショートの花束」8と9にものっていますので、よろしく。
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