ツーリング

4
1

子供の頃、親父のバイクの後ろに乗せてもらって走った。親父の背中は大きくて、とても格好良い男に見えた。そんな親父に憧れて、俺は子供心ながら大きくなったらバイクの免許を取ろうと思った。そして俺は18歳になり、大型バイクの免許を取る事にした。
「お前、バイクの免許取るのか?」
「ああ」
「なんでバイクの免許取りたいんだ?車はこの間、免許取ったばかりだろう」
「……バイクの免許があると女にモテるからだよ」

本当は親父に憧れていたからだとは、照れ臭くて言えなかった。だからそれっぽい嘘をついた。すると親父は
「そうか」
と一言だけ言った。
それから俺は、無事にバイクの免許を取った。新しいバイクも買った。バイクに乗るのは楽しかった。
ある日、親父が部屋に入って来た。

「明日ツーリング行くか?」

俺は親父と二人でツーリングに行った。今度は、自分でバイクを運転しながら前を走る親父の背中を見ている。
公開:21/11/01 11:00

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

https://youtu.be/frouU2nCPYI

・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

〇サウンドノベルゲーム版作品(無料プレイ可)

ブラウン・シュガー
https://novelchan.novelsphere.jp/38739/

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容