軽微な誤差に気づいた男

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最初に気づいた小さな異変は
投げたティッシュが物理の法則に反して歪な弧を描きゴミ箱へと吸い込まれた事だった。
が、この時は部屋に一人だった。
次に、実は少し気にしていたおできが突然サッパリ消えていた。
人目に付く場所ではなく、特別親しい人間ならば見られる事もあるだろう場所でその事実を共有できただろう。
が、そんな特別な人など居ない。
次に、紙に文字を書く習慣があるのだが、微妙に日々筆跡が異なっている。
微妙なのだが日毎に比較すると確実に異なる。
が、その紙とは「秘密の日記」の事なので筆跡ごときの為に他人に詳らかにしたくはない。

『本当にこの世界は現実?自分は連続した同一人物だと保証できる?』
認めた文字は昨日に比べるとやたら丸い。
日記を閉じ、窓越しに夜空を見上げた。
すると男は強烈な異変を目の当たりにする。

黄色の三日月は一瞬にして真っ赤な満月に変わりアラートの様に点滅を始めた。
ホラー
公開:21/11/04 05:00
更新:21/11/05 13:34

吉田図工( 日本 )

まずは自分が楽しむこと。

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