命の授業

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小学校のころ、「いのちを考える」という授業を受けた。クラスのみんなでかわいがり、世話を続けてきた豚を解体し、食べるというものだ。
かわいがっていた豚が肉の塊になったとき、みんな泣いた。
先生は「人間が生きるということ」「命に感謝すること」を力説した。
その授業を受けて、私は気が付いた。
「どんなに可愛がっていても、その気になれば食べられる」ということだ。
ペットだろうとなんだろうと、胃袋に収まってしまえば同じだ。肉塊になってしまえば、その物が生きていたときなど関係がない。
可愛がっていた時代を思い出すなんて、ただの感傷にすぎない。それが生きるということなのだから。

そして、私は大人となった。
いま私は丸々とふとった娘を見て、喉ぼとけが鳴るのを止めることができない。
ホラー
公開:21/10/31 08:24

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