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ドアを開けると見慣れぬ男が手を挙げ私を迎えた。
「忙しいのにわざわざすまないね」
男の声は友人の面影を垣間見せた。
「痩せたな。ちゃんと食ってるのか」
手土産を渡すと再度すまないねと友人は言った。
「そんな事よりコレを見てくれ。先週発売したばかりだ」
彼の手には最新機種のスマートフォンが握られている。
「SoCは独自開発で前機種の8割も処理能力が上がっているんだ。
なのに重量は2割減で、カメラも…」饒舌な説明が止まらない。
「俺は疎いから知らんが安くないんだろ?」
「最上位になると十万は軽くいくね。それが毎年発売されるんだから苦労するよ」
「もっと大事な事があるだろう」掴んだ肩は細い。
「ど、どうしたんだよ。最新機能を使えば全てがワイヤレスに出来るんだ、例えば…」
「おい!」立った弾みでパイプ椅子が倒れた。
「だとしたら己が性能落とてしちゃ意味ないだろう」
彼は点滴の有線に繋がれている。
「忙しいのにわざわざすまないね」
男の声は友人の面影を垣間見せた。
「痩せたな。ちゃんと食ってるのか」
手土産を渡すと再度すまないねと友人は言った。
「そんな事よりコレを見てくれ。先週発売したばかりだ」
彼の手には最新機種のスマートフォンが握られている。
「SoCは独自開発で前機種の8割も処理能力が上がっているんだ。
なのに重量は2割減で、カメラも…」饒舌な説明が止まらない。
「俺は疎いから知らんが安くないんだろ?」
「最上位になると十万は軽くいくね。それが毎年発売されるんだから苦労するよ」
「もっと大事な事があるだろう」掴んだ肩は細い。
「ど、どうしたんだよ。最新機能を使えば全てがワイヤレスに出来るんだ、例えば…」
「おい!」立った弾みでパイプ椅子が倒れた。
「だとしたら己が性能落とてしちゃ意味ないだろう」
彼は点滴の有線に繋がれている。
ホラー
公開:21/10/26 13:50
まずは自分が楽しむこと。
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