自由

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「泥」
「え?」
「だから、泥」
 最初、私はヨシユキが何を言っているの分からなかった。ヨシユキが私の靴を見ながら、泥、と言ってることに気が付いて、そうしてやっと分かった。
「ああ、ごめんね、泥ね」
 私は泥を落とすために、一度部屋の外に出た。玄関のすぐ前で泥を落とすのもどうかと思い、エレベーターの前まで行き、ここで落とすのも悪いかなと思い、エレベーターに乗った。マンションのエントランスを出る頃には、泥はもう落ちていた。私はそのまま、街に向かって歩き出した。
青春
公開:21/10/26 00:58

杉将

基本的に、無、です。

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