素晴らしき10月
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子供の頃、秋の夕暮れが大嫌いだった。友達は親が迎えに来てくれるのに僕だけは誰も迎えに来てくれない。悲しくて、腹が立って、どうしようもなかった…
そんな僕の手をそっと握ってくれる人がいた。黄昏時、その顔は夕日に照らされて見えなかった。あれは誰だったんだろう?
それを知る為、僕はタイムマシンに乗り込んだ。過去に戻ってあの人が誰かを知るんだ。
僕は幼い僕をじっと見つめる。一人になった幼い僕は近くに転がっていた鉄パイプを手に遊具へと振り下ろそうとする。
その手を僕は止めた。吃驚した顔で僕を見つめる幼い僕。
ああそうか。あの時、幼い僕の手を握ってくれたのは未来の僕だったんだ。
僕は僕に微笑む。「帰ろっか」
「うん!」と元気いっぱいの返事が返って来た。
やれやれ、これから僕は過去の10月いっぱい、ずっと幼い僕を迎えに行かなきゃならないらしい。
でもまあ僕を救ったのが僕というのは素晴らしい発見だった。
そんな僕の手をそっと握ってくれる人がいた。黄昏時、その顔は夕日に照らされて見えなかった。あれは誰だったんだろう?
それを知る為、僕はタイムマシンに乗り込んだ。過去に戻ってあの人が誰かを知るんだ。
僕は幼い僕をじっと見つめる。一人になった幼い僕は近くに転がっていた鉄パイプを手に遊具へと振り下ろそうとする。
その手を僕は止めた。吃驚した顔で僕を見つめる幼い僕。
ああそうか。あの時、幼い僕の手を握ってくれたのは未来の僕だったんだ。
僕は僕に微笑む。「帰ろっか」
「うん!」と元気いっぱいの返事が返って来た。
やれやれ、これから僕は過去の10月いっぱい、ずっと幼い僕を迎えに行かなきゃならないらしい。
でもまあ僕を救ったのが僕というのは素晴らしい発見だった。
SF
公開:21/10/25 19:51
元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。
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