パスタ記念日
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結婚するんだろうと思っていた彼と別れてしまった。パスタが好きな彼の為に料理の勉強していた日々が遠く感じる。
冷蔵庫には賞味期限が迫ったヨーグルトと卵とソーセージ。結局、夕飯は冷凍ご飯と残りの惣菜で簡単に済ませた。
久しぶりに会った友人は溌剌としていて、自分との隔たりを感じた。友人はアイスコーヒーとランチプレートを、私はホットティーとチーズリゾートを注文する。
「ね、料理は上達した?」
「まさか。だって、やる理由がーー」
友人は彼との事を知っているはずなのにと内心むっとする。
「そうなの。体調崩しやすいから自炊してるのかと思ってたわ」
外食が増えて疲れが出ていたのは確かだった。
「続けてみたら?」
リゾットを掬う手が止まる。
「パスタだって、自分が好きなんでしょう?」
友人は骨つきリブにかぶりつく。
「そうだったかも」
友人は子供の様にソースまみれの口で笑った。
冷蔵庫には賞味期限が迫ったヨーグルトと卵とソーセージ。結局、夕飯は冷凍ご飯と残りの惣菜で簡単に済ませた。
久しぶりに会った友人は溌剌としていて、自分との隔たりを感じた。友人はアイスコーヒーとランチプレートを、私はホットティーとチーズリゾートを注文する。
「ね、料理は上達した?」
「まさか。だって、やる理由がーー」
友人は彼との事を知っているはずなのにと内心むっとする。
「そうなの。体調崩しやすいから自炊してるのかと思ってたわ」
外食が増えて疲れが出ていたのは確かだった。
「続けてみたら?」
リゾットを掬う手が止まる。
「パスタだって、自分が好きなんでしょう?」
友人は骨つきリブにかぶりつく。
「そうだったかも」
友人は子供の様にソースまみれの口で笑った。
青春
公開:21/10/25 14:59
世界パスタデー
射谷 友里(いてや ゆり)と申します
十年以上前に赤川仁洋さん運営のWeb総合文芸誌「文華」に同名で投稿していました。もう一度小説を書くことに挑戦したくなりこちらで修行中です。感想頂けると嬉しいです。宜しくお願いします。
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