「垢抜けた」郵便ポスト

「あれ、郵便ポストが無いな。」と小さな声で呟いてしまった。
いつもの通学路で通る郵便局にあった赤い郵便ポストが無い事に気が付いた。
どっしりと構え、いつも前を見て周りの変化に囚われない、
小学生のいたずらで潰れた空き缶や落ち葉を入れられても決して怒らない
赤いポストが無くなっていた。
ある意味、武骨で野暮ったさのある赤い郵便ポスト。
キョロキョロと周囲を見渡すと、オブジェのようなものが目に入った。
何だかここ数年で都会の急激な変化に合わせるように
スタイリッシュで、スマートで洗練されたこのオブジェを良く見ると、
郵便ポストであった。
外観の色もスターライトで鮮やかであった。
最近は、青色や緑色などの郵便ポストもあるようだ。
赤から白へ
(汚れが目立ってくるかもしれないね。でも随分、垢抜けたね。)
と思いつつ、家路へと足を向けた。