ぶらり一人旅

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仕事終わりの帰り道、それは最高の時間だ。仕事での緊張感が解け、一気に解放感に包まれる。そしてなんだかとても楽しくなるのだ。そのテンションのまま、私は今日もぶらり一人旅をするのだ。

「うーん、今日はどこに行こうかな」

私は無理して買った自身の身の丈に合わない真っ赤な外車の高級スポーツカーを爆音で走らせる。ドアミラーに映ったサングラスをかけて運転する若い女である自分が、とても良い女に見えてくる。それが高級スポーツカーの不思議な魔力だ。このスポーツカーは、一目惚れして買った。私は清水の舞台から飛び降りたのだ。中小企業の事務員として働いて三年目の独身女が買うような車ではない。

そう。だからお金がないのだ。お金のかかる贅沢は出来ない。

高級スポーツカーで入った店は、大衆店のラーメン店だった。

「くぅ!!美味しい!やっぱり仕事終わりの夜ラーメンって最高よね!!」

でも私は満足だ。
公開:21/10/23 18:01

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

https://youtu.be/frouU2nCPYI

・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

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ブラウン・シュガー
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