鳴かぬなら・・・

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「旦那、この絶対鳴かないホトトギスを鳴かせる事が出来れば賞金差し上げますよ。」
「何故、鳴かんのだ?」
「私にもわかりません。絶対鳴かないんです。」
「なるほど。どんな事をしてもいいのか?」
「構いませんが、殺さないでくださいね。試みは1回だけです。失敗したら1両頂きます。」
「わかった。信長じゃあるまいし。」
(なんと儂は幼少からホトトギス語を話すことが出来るのだ。賞金は貰ったな。)
「何故鳴かぬ?」と男はホトトギスに尋ねた。
そうするとホトトギスは答えた。
「間違えてウグイス嬢に托卵してしまいました。」
「ウグイス嬢ってヒトではないか。托卵できんぞ。普通間違えるか。」
「ここから出してください。そうしたら鳴きます。」
「おやじ、賞金はいらん。この鳥を儂にくれ。」と言って、ホトトギスを鳥籠から出した。
「旦那、それは困ります。」
「あっ」とホトトギスは大空へ鳴きながら飛んで行った。
ファンタジー
公開:21/10/24 15:02

ひまわり広場( 神奈川県川崎市 )

産婦人科専門医/指導医
@sanadakuma
tama-himawari3w.com
身体は日々の食事で出来ている。
妊婦さんにも食事の重要性について情報提供しています。
ダイエット中の方々にも食事・睡眠・運動の重要性について情報発信しています。
自身が「愛着障害」であることに気付き、もう一人の自分と上手に共生しています。
自分が、自分の『安全基地』になることが生きていくための拠り所なのかもしれない。
科学的な視点からの表現も交えて、ショートショートストーリーを作っています。

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