頭の良過ぎるロボット

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とても好奇心が旺盛な少年は、毎日のように両親に質問をした。
「どうしたら赤ちゃんは産まれるの?」
「結婚すると宇宙から卵がやってきて、赤ちゃんを授けてくれるんだ」
「どうしてお母さんはずっと綺麗なの?」
「毎日よく寝て、病院にも行くからよ」
カラスはどうして黒いのか。太陽と月は同時に登らないのか。

大きくなるにつれ、他人と自分が違うことに気づいた。隣の子は消しゴムのカスを集めることに夢中で、女子はアイドルの話で休み時間を費やしていた。

鬼ごっこの途中友達とぶつかり、友達の頭からは深い赤色の血が流れたが、自分は血が出ず痛がる彼の気持ちがわからなかった。
少年は自分がロボットだと確信し、
そのことを受け入れられずビルから飛び降り自殺を図った。

しかし両親は平静であった。
「うーん、少し頭を良くしすぎたか」
「あまり良すぎると自傷行為をするみたいね。次はもっと成長を遅らせましょうか」
SF
公開:21/10/19 21:22
更新:23/11/30 16:04

空飛びペンギン( 関東 )

ご覧いただきありがとうございます。

俳優業の傍ら、趣味でショートショートを製作しています。
田丸先生の書籍を読んでから、楽しく作っております。
ご意見、ご感想いただけると嬉しいです。


名作文学の朗読Youtubeを行っています。
http://www.youtube.com/@akky_roudoku

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