最高のおもてなし

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水の都で水先案内人をしている私は今日も櫂を漕ぎ、歌と共にお客様を楽しませている。
そろそろ頃合いかな?歌を止めた私は客人に水面を見るよう言った。
透明度の高い水の中、魚が群れを成して泳いで行く。この魚群はこの時間、必ずこの道を通る。
私はそれを『いかにもお客様の運がいいから見る事が出来ました!』といった感じでオーバー気味に客人に伝える。
それに気を良くした客人はリピーターになってくれる事が多い。チョロいものだ。
また、空を見るように言えば人に慣れた鳥達が餌を求め客人に近寄って来る。
鳥達は非常に賢い。彼らが狙うのは餌ではなく、客人の財布や宝石貴金属。
それらを奪い、サーっと飛んでいく様はまさにプロの泥棒だ。
悲鳴を上げる客人達。慌てない慌てない。
次の目的地は警察署だ。実はそこに先程の鳥達の巣もある。盗まれたものは確実に帰って来る。
この一連の流れが大人気で今日も私の船は客人でいっぱいだ。
公開:21/10/16 20:46

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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