運命を変えろ!!

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この星では皆、寿命時計を身に付けている。中央政府から支給される寿命時計をしていなければ即、逮捕されるからだ。付けている人間の残りの寿命がわかる最新式の腕時計。もちろん私も付けている。管理社会の権化のようなシステムだが、画期的な社会保障のシステムとして機能している。寿命時計の残り時間はスーパーコンピュータが算出し、かなりの高精度だ。情報は毎秒更新され時計に表示される。寿命時計の残り時間に応じて色々なサービスが受けられるこのシステムに私は、それなりに満足していた。しかし、ある日とんでもない事態が起きた。ほぼ全ての人間の寿命時計の残り時間が残り3日になったのだ。突然の事に皆、愕然とした。そしてそれと時を同じくして中央政府から発表がなされた。巨大彗星の軌道が突如変わり、この星にぶつかる可能性が出てきたと。私は思った。「あっ、これか。」
私は寿命時計を外し、踏み壊した。こんなものにはもう、頼らない。
SF
公開:21/10/14 11:46

ソフトサラダ( 埼玉 )

時折、頭をかすめる妄想のカケラを集めて、少しずつ短いお話を書いています。コメントは励みになります。

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