愛しの家族
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母の遺影の前で、私を囲うように兄妹達は話し合いをしていた。
「考えるまでもなく、人形供養に出すしかないだろ」
次男の重幸が私の頭を撫でた。
「娘に画像を見せたら、怖いって」
長女の牧子がドレスの埃をはらう。
「じゃあ、俺が引き取るか?」
長男の晃が私を膝の上に乗せた。
「兄さんの家はだめよ。猫がいるじゃない。やっぱりうちに来る?」
ひょいと牧子が私を晃から取り上げる。
「結局クローゼットにしまったら、また始まるだろう?」
皆の視線が私に集まる。
「堂々巡りね」
皆、私のことが大好きだ。私も家族の事を愛している。
「魂が宿るって本当なんだなあ」
しみじみと晃が呟く。
「ママ、お話終わった?」
小学生になったばかりの牧子の娘が仏間に入ってきて、私を見た。
「そのお人形」
私を小さな手で持ち上げてにっこり笑う。
「ママ写真撮るの下手だね」
私はこっそり皆にウィンクした。
「考えるまでもなく、人形供養に出すしかないだろ」
次男の重幸が私の頭を撫でた。
「娘に画像を見せたら、怖いって」
長女の牧子がドレスの埃をはらう。
「じゃあ、俺が引き取るか?」
長男の晃が私を膝の上に乗せた。
「兄さんの家はだめよ。猫がいるじゃない。やっぱりうちに来る?」
ひょいと牧子が私を晃から取り上げる。
「結局クローゼットにしまったら、また始まるだろう?」
皆の視線が私に集まる。
「堂々巡りね」
皆、私のことが大好きだ。私も家族の事を愛している。
「魂が宿るって本当なんだなあ」
しみじみと晃が呟く。
「ママ、お話終わった?」
小学生になったばかりの牧子の娘が仏間に入ってきて、私を見た。
「そのお人形」
私を小さな手で持ち上げてにっこり笑う。
「ママ写真撮るの下手だね」
私はこっそり皆にウィンクした。
ファンタジー
公開:21/10/15 15:55
人形の日
人形供養
射谷 友里(いてや ゆり)と申します
十年以上前に赤川仁洋さん運営のWeb総合文芸誌「文華」に同名で投稿していました。もう一度小説を書くことに挑戦したくなりこちらで修行中です。感想頂けると嬉しいです。宜しくお願いします。
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