葬送

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みんな、同じ方を向いて座っている。
目を伏せて、何かを願ってるみたいに
何かの儀式みたいだ。
みんな黒い服を身にまとっている。

私はみなが向く方に歩いていく。
目の前には、小さな人1人入る桐箱。

いつのまにか、手には白い百合の花。
私は桐箱に花を手向ける。

「何か大事なことを伝え忘れている。」
言葉が頭を過ぎる。しかし、分からない。
なぜ私がここにいるのかさえも。

探すように桐箱に手を伸ばす。
…触れた「物」は冷たかった。

私の手はまだ温かいまま。
「それ」は返せない。

そう思った瞬間に、思い出す。
忘れ去った遠い大事だった過去の記憶。

目の前で冷たく眠っている人がどれだけ大事だったか。その思い出を。

熱くなる。苦しくなる。息が詰まる。
涙が止まらない。声が漏れる。

やっと思い出した。
伝え忘れてたこと。
あなたが遺した温もりと共に。
「私はあなたを愛しています。」
公開:21/10/15 12:00

湖楠*

うみな と読みます。

思い付きで書いたものたち。
出来たら、昼の12時に投稿します。

タイトルは考えずに書いてるので特に意味はないはずです。
タイトル付けるのうまくなりたい。あと作品作りも。

Twitter(生きてないです)
https://twitter.com/m2_asx

ここでも書いてます(エッセイとか)
note
https://note.com/umina1043/
 

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