脳内イメージ映写機

　世紀の大発明が今夜お披露目となる。会場は物静かだが熱気を帯びており、脳内イメージ映写機の発表が始まるのを今か今かと待ちわびていた。
　この装置は繋がれた人間の脳内にある映像をスクリーン上に写し出すことができるという画期的な発明であった。動物実験に成功し、今夜初めて人体を用いた実験が行われようとしていた。
　被験者第一号に選ばれたのは、世界的に名の知れた天才博士であった。開発者の学生時代の恩師であり、いくつもの権威ある賞を受賞してきた彼はまさに人類を代表するに値する人間であった。
　開発者が壇上で簡単な挨拶と装置の説明を済ませ、博士を壇上へ上るよう促し、皆に博士の偉業を紹介した後、装置を博士の頭にセットした。会場の熱気は最高潮となり、世界中が注目する中カウントダウンが始まった。
　カウントがゼロとなり、装置が起動した。スクリーンには会場にいた若い女性のお尻が写し出されていた。