最高のおもてなし

土地神である私は定期的に家々を回り、米や酒と言ったお供え物を貰う生活をしていた。
その日、私を出迎えてくれたのは幼子だった。親は仕事に出ているらしく、お供え物の準備も出来ていないらしい。
昔なら『無礼だ！』と怒り散らしていたが今は人の生活も変わってしまった。少しは長い目で見てやろう。
幼子は私を見つめ「これをどーぞ」と手に持ったものを渡してくる。
ふむ…これはどぉなつという食べ物なのか。頂くとしよう。口にした瞬間、私の全身に衝撃が走った！何だこれは！美味すぎるぞ！
幼子は黙った私を見て喉を詰まらせたと思ったのだろう。飲み物を持ってきてくれた。ここあなる飲料を口にし、私の頬はとろけた。何たる甘さか…
そうか…今の人の世にはこのような美味が溢れているのか。いやはや…神も知らなければならない事が多い。
幼子よ。最高のおもてなしをありがとう。
礼に神の力でこの地を食文化の最先端へと変えてみせよう！