流しの審判員
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その男は何処からともなく現れる。野球の審判員のような格好だ。彼は流しの審判員と呼ばれていた。色々な場面で登場する。例えば信号無視を見つけたならすぐに駆けつけ「アウト~。」と叫ぶ。ゴミのポイ捨て、自転車の2人乗り、歩きスマホなど、色んな場面で登場する。しかし、皆思った。「アウト」ばっかりだ、と。審判員ならセーフがあってもよいはずだ。ある日、一人の少年が流しの審判員に訪ねた。「なんでアウトばっかりなの?セーフは?」
すると流しの審判員は優しい笑みを浮かべ、少年に語りかけた。「私は、審判員だ。別にアウトと言いたくてやっている訳ではないんだよ。公平にジャッジしてる。するとどうだ。アウトばっかりになる。世知辛い世の中だよ。私だってセーフと言いたいよ。」すると少し考え込む少年。そして「じゃあ、僕が変えてみせるよ。審判員のおじさんがセーフっていっぱい言える世の中に。ねっ。」
「少年~。セーーーフ!!」
すると流しの審判員は優しい笑みを浮かべ、少年に語りかけた。「私は、審判員だ。別にアウトと言いたくてやっている訳ではないんだよ。公平にジャッジしてる。するとどうだ。アウトばっかりになる。世知辛い世の中だよ。私だってセーフと言いたいよ。」すると少し考え込む少年。そして「じゃあ、僕が変えてみせるよ。審判員のおじさんがセーフっていっぱい言える世の中に。ねっ。」
「少年~。セーーーフ!!」
ファンタジー
公開:21/10/13 10:14
時折、頭をかすめる妄想のカケラを集めて、少しずつ短いお話を書いています。コメントは励みになります。
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