運命は変えられたのか

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無機質な部屋には赤子が眠り、何故か拳銃が脇に置かれていた。
戸惑う男に天の声が響く。
『仕事は簡単です。その赤子は未来、殺人犯になる事が確定しました。処してください』
男は声を張り上げる。
「馬鹿な!そんな話信じる訳ないだろう。断る!」
『完遂するまで部屋を出る事はできません。最悪、貴方と赤子の2人衰弱死する事になりますが不本意でしょう?』
声に起こされ赤子がぐずり出した。
「なら赤子だけを衰弱死させればいいだろう!」
『一理あります。がビジネスに非効率は避けねばなりません』

泣きつかれた赤子は眠る。
「…殺人犯になるというなら、ならぬように私が育てる」
『残念ながら運命を変える事は不可能です』
「何故?分かっているからこそ変えれるだろう!」

数時間後、渇いた銃声が響いた。
部屋にはこめかみを撃ち抜いた男が横たわる。

『赤子が数時間後、貴方を殺す。と言えば運命が変わったのでしょうか』
ホラー
公開:21/10/12 11:33

吉田図工( 日本 )

まずは自分が楽しむこと。

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