失われたコーン~LOST OF CORN~

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冬の寒さが堪える夜、私は自販機を見つけた。
ありがたい。何か温かい飲み物を……。

ホットコーヒー?それともお茶?
それも悪くないが、私の目を惹きつけたのは、コーンスープだった。私は硬貨を入れてコーンスープのボタンを押した。ガコンッと音が聞こえ、コーンスープの缶が出てきた。

「熱っ!!」

缶はかなり熱い。私は缶のプルタブを開き、コーンスープを口に運んだ。クリーミーで濃厚な味が、体を芯から温めてくれる。コーンスープは、ミステリアスな食べ物だ。コーンスープは洋食であると思われているが、しかし海外では、ほとんどコーンスープを見かけない。発祥の地はどこなのか定かではないのだ。

最期の一滴まで飲み干した。ここで自販機のコーンスープの大きな問題に直面する。……そのはずだった。

「……ない」

いつもなら缶に残るはずのコーンが、なぜかなかったのである。

失われたコーンはどこへ行ったのか……。
公開:21/10/09 15:33

富本アキユ( 日本 )

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・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
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・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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ブラウン・シュガー
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