人生の杖
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気が付くと、私は訳の分からない場所に倒れていた。
立ち上がって歩いてみるが、足元はやけに不安定で、歩く度に足を取られそうになる。
しかも、足元や周囲には濃い霧が立ち込めており、迂闊に歩くと危なそうだ。
どこからともなく、声が聞こえてきた。
「お前の欲しい物を、一つだけ授けよう」
私はしばらく考えた後、こう答えた。
「杖を下さい」
杖を手にした私は、それを頼りに歩き始めた。
足元が不安定でも、地面が杖を通して私の身体を支えてくれる。
地面が無かったら、空を切った杖が私に危険を知らせてくれる。
良い物を手に入れたと、私は思った。
しばらくして、霧が晴れてきた。すると……
私の立っている場所は、断崖絶壁の頂上にある、せいぜいテニスコート程度の大きさの広場だという事が分かった。
私は、何て愚かだったのだ。
どうしてあの時、「翼を下さい」と言えなかったのか。
立ち上がって歩いてみるが、足元はやけに不安定で、歩く度に足を取られそうになる。
しかも、足元や周囲には濃い霧が立ち込めており、迂闊に歩くと危なそうだ。
どこからともなく、声が聞こえてきた。
「お前の欲しい物を、一つだけ授けよう」
私はしばらく考えた後、こう答えた。
「杖を下さい」
杖を手にした私は、それを頼りに歩き始めた。
足元が不安定でも、地面が杖を通して私の身体を支えてくれる。
地面が無かったら、空を切った杖が私に危険を知らせてくれる。
良い物を手に入れたと、私は思った。
しばらくして、霧が晴れてきた。すると……
私の立っている場所は、断崖絶壁の頂上にある、せいぜいテニスコート程度の大きさの広場だという事が分かった。
私は、何て愚かだったのだ。
どうしてあの時、「翼を下さい」と言えなかったのか。
その他
公開:21/10/09 02:06
気まぐれで始めた事です。
気まぐれで終わって、多分それっきりになると思います。
……さて、いつまで続くか。
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