話すピアノ

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ママとお出かけして、はじめて電車に乗った日。駅からステキな音色が聞こえてきた。
駅に置いてあるピアノ。誰が弾いてもいいピアノ。誰かが弾いているピアノ。
綺麗なピアノの音に惹かれて好きになった。私もあんなふうにピアノを弾いてみたい。

パパとママにお願いしたけれど、そんなお金うちにはありません。ごめんね困らせちゃって・・・

毎日、私は駅のピアノへ行った。ピアノの音が聞きたくて。ピアノの音が好きで。ピアノを弾いてる人が好きで。演奏を聞いている人たちが好きで。

「きみも弾いてみる?」
ピアノを演奏しているお姉さんに優しく声をかけられた。嬉しかった。

なかなか上手にうまく弾けない。上達しない。
もう嫌だ。弾きたくない。怒られるかと思ったらピアノから声がした。ピアノが教えてくれた。お姉さんは微笑んでいた。


私はステージで深呼吸。お姉さんが腹話術で楽しくピアノを教えてくれたことを思い出した。
その他
公開:21/10/08 20:05
ピアノ 音楽 音色 日常 絵本 童話

前虎( https://mobile.twitter.com/mae10ra )

はじめまして。
前虎と申します。
作品を読んでいただけたら嬉しいです!
よろしくお願い致します。
「小説家になろう」さんにも掲載中です☆

 

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