職業職人の仕事

記者は職人の作業を静観しカメラマンはシャッターを押した。
「後は仕上げたら完成かな」
一区切り付いた所を見計らって記者は職業感を尋ねた。
「親父の跡継いだ奴がほざくなやけど、今や仕事は会社から『与えられる』、職業は存在する中から『選ぶ』と疑う余地ないでしょ。
新しい価値の誕生は同様に職業の創造機会やと教えられてきた」
「仕事人の対義語は遊び人やと思ってたけど最近はその遊びでお金稼ぐような人も出てきたよね。常識が追いつかへん所あるよね」
記者は頷き、今仕上げている職業について尋ねた。
「コレ？政府から新しい天下り先創ってくれって依頼やねん」
冗談とも取り切れず記者は苦笑いした。
「今は既存の『掛け合せ』が多いけどやっぱり全くの新しい職業を創るのが夢やね」
「ちなみに初代が最初に創った職業何か分かる？」
記者はしばらく熟考するが降参した。

「この仕事よ。よっぽど就職できへんかったんちゃう？」