ヒーローなんかじゃない!!

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会社に向かう為に空を飛んでいた。ただそれだけなのに。また変な奴に絡まれた。彼は突然、悪の秘密結社の怪人だと名乗って僕の通勤を邪魔してきた。僕のことをヒーローか何かと思っている様子だ。勘違いも甚だしい。僕は、ただマントを着けて空を飛んで通勤しているだけの普通のサラリーマンだ。決してヒーローなんかじゃない。怪人にその事を伝える。「僕は、ヒーローなんかじゃない。だだのサラリーマンです。急がないと会社に遅刻しちゃうんで。」しかし怪人は僕の話を聞こうとしない。それどころかすぐに殴りかかってきた。困った僕は仕方なく腕からビームを出す。ビームは怪人の額に直撃する。すると怪人は「チクショー。おぼえてろよ!」と捨て台詞を吐いて去っていった。僕は慌てて時計を確認する。マズい。このままでは遅刻だ。僕は仕方なく、本当に仕方なく瞬間移動を使った。僕は今日も、そして明日も明後日も会社に通う、ごく普通のサラリーマンだ。
ファンタジー
公開:21/10/06 07:50

ソフトサラダ( 埼玉 )

時折、頭をかすめる妄想のカケラを集めて、少しずつ短いお話を書いています。コメントは励みになります。

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