ふんどしが見える

私は『ふんどしが見える』という特殊能力がある。
下着が透けて見えるという意味では無い。
服の上にふんどしが見えるのである。
個人差があり有無は元より、形も前垂れや祭りで見る六尺と呼ばれる奴など。
一度相撲まわしが見えた事もある。
ただ何故見えるのか。
人混みで見える比率は半々かそれ以下。
そして私自身には…見えない。
何の法則で見えるのか分からない限り不毛の能力なのだ。

とあるニュース映像に釘付けになる。
閉園する遊園地の最終日に殺到する客という内容で
映る客の９割がふんどし姿だった。
「ほんと寂しい…」と答え憂う客。
どういうことだ。

ついに見える瞬間を捉えた。
女性がある商品を買物カゴに入れた瞬間に現れた。
私も同じ商品を手に取りカゴに入れる。
私にも現れた！これだ！
商品には『日頃のご愛顧に感謝し１０％増量』とある。
確かにこんな時しかこの商品は買わない。

「人のふんどしか…」