記憶力

2
1

私は記憶が苦手だ。国語の漢字や英単語といった暗記科目がダメで、いつも成績は悪かった。今日も酷い点数を取り、落ち込みながら家へと帰っていた。

「おや?お姉さん。お困りだねぇ」
「えっ!?」

話しかけてきたのは、白い鳥だった。

「記憶力が良くなりたい。そうだね?」
「どうして分かるの?」
「私は鳥の姿をしているけど神だからね。どうだい?私が記憶力を良くしてやろうか?」
「お願いします」

こうして私は、神様に薬を貰い、記憶力を良くしてもらった。勉強は面白いように進み、私は学年トップの成績になった。すると私は同級生から妬まれ、いじめられるようになった。だけど少し耐えれば大丈夫。だってもうすぐ卒業なんだから……。

私は学校を卒業し、難関大学へ進学し、そして一流企業へ就職した。

だが……
私の頭の中では、嫌な事を忘れる事ができない。
私は、記憶力が悪いのは、とても幸せな事なのだと知った。
公開:21/10/08 11:06
更新:21/10/08 11:10

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

https://youtu.be/frouU2nCPYI

・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

〇サウンドノベルゲーム版作品(無料プレイ可)

ブラウン・シュガー
https://novelchan.novelsphere.jp/38739/

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容