女心と秋のホラ

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私には好きな人がいる。小さい頃からの幼馴染の男の子だ。彼が行くからという理由で高校も同じ高校を選んだ。私達はいつも一緒に登下校をしている。

「あー、やべぇな。一時間目、数学のテストじゃん」
「私は楽勝かな」
「さすが優等生は自信たっぷりだな。お前さ、頭良いんだしもっと上の高校狙えたんじゃないの?」
「いいよ。学校なんて通学のしやすさで選ぶものだよ。近い方がいいでしょ」
「まあな。俺もそれで選んだんだけどな」

実は嘘だ。私は通学のしやすさでなんか選んでいない。もしも通学に電車を使ったりして時間がかかるなら、その時間を利用して勉強したりする事も出来る。だから私にとって通学時間なんて苦ではない。この学校を選んだ本当の理由は、あんたがいるからなんだよ。

「女心と秋のホラ……か」
「えっ?」
「な、なんでもないよ」
「女心と秋の空って言ったよな?」

口に出ていた。私は彼をおいて走って逃げた。
公開:21/10/07 11:08

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

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ブラウン・シュガー
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