ペーパードライバー

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「今週末、ドライブに行かないか?」
夫の提案を鼻で笑う。だって夫は助手席が定位置のペーパードライバー。
そんな夫がドライブ?どこに行きたいの?
「目的なんてないさ。ただ、運転したい気分なのさ」
一体どういう風の吹き回しだろう?もしかして自動車学校でこっそり練習でもしてきたのか?まあいい。運転してくれるのなら付き合おう。

週末、夫はウチの車ではなくレンタカーを借りてきた。
それも誰もが知る高級車・ランボルギーニだ。
私の顔が青くなる。ちょっとやめてよ!傷つけたらどうするの!
「大丈夫だよ。ほら、この車よく見て」
言われるがままランボルギーニに近付く。…ん?これ、よく見たら紙で出来ていない?
「そうさ。これは段ボールで出来たランボルギーニ。通称・ダンボルギーニさ。これを運転する為に僕はペーパードライバーになったんだから」
夫の免許証を確認する。
運転の条件に『紙製品に限る』と書かれていた。
公開:21/10/04 20:50

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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