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 耳かきをしていたら、ゴリっという音がした。血の塊だと思ったら、それは金色をしていた。反対の耳も同じように金の耳垢が出た。きったねえなあと笑うばかりだった友人は、小皿に乗せた耳垢を見ると目の色が変わった。
「止めろよ、恥ずかしいって」
「お前が見てくれって言ったんだろ」
「あの時は興奮してたっつーか」
「なあ、まだ出るんじゃね?」
 友人はライト付きの耳かきをリュックから出した。
「止めろ、怖いって」
「大丈夫だって、ライトあるんだから」
「お前、凄いぞ! お前の耳の中、金色だ!」
「デカイ声出すなよ。キーンとしたぞ」
「おっ! 上手いなお前」
「違うって」
 俺たちは相当な量の耳カスを集めた。
「これ、どうすんの」
「それはだな」
 ネットで販売した金の招き猫があっという間に売れた。
「なあ、もう一回掘らせてくれよ」
 友人が見たことない耳かきのスイッチを入れた。
その他
公開:21/10/04 20:17
耳かき

射谷 友里

射谷 友里(いてや ゆり)と申します
十年以上前に赤川仁洋さん運営のWeb総合文芸誌「文華」に同名で投稿していました。もう一度小説を書くことに挑戦したくなりこちらで修行中です。感想頂けると嬉しいです。宜しくお願いします。

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