紅葉桜

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彼に誘われ、ドライブに来た。

「ビックリするものを見つけたんだ。君に見せてあげたくて」
「ビックリするもの?何?」
「それは着いてからのお楽しみ」

とにかく凄いと彼は、興奮気味に語る。どんなものを見せてくれるというのか。車は、どんどん山奥へと進んでいく。昼間だというのに生い茂った沢山の木のせいで、まるで魔女の森。そんな印象を持つ暗い暗い不気味な山奥へと入ってきた。

「……ね、ねぇ。随分と走ったよ。こんなに山奥なの?道合ってる?もしかして迷った?」
「いいや。迷っていない。大丈夫だから。この先だよ」

更に山奥を車で走っていく。まさか彼は、山奥で私を殺して死体を埋める気なんじゃ……。そんな事まで考えてしまった。

「着いたよ!!あれを見て!!」
「うわ!!何あれ!!」

そこには、紅葉のような鮮やかな色をした桜の木があった。新種だった。
それは、まさに紅葉桜という名前がピッタリだった。
公開:21/10/04 19:27

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

https://youtu.be/frouU2nCPYI

・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

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ブラウン・シュガー
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