パーツ交換できる時代

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道を歩いていると目の前に女が現れた。
女は私の足下を見ている。
「すみませんがこの左腕とあなたの右足を交換してもらえませんか」
女の足下を見ると右の靴が赤く染まっている。
私は事故で左腕が使えず、右足と天秤にかけて迷った。
私は「いいですよ」と言いながら女に近付いた。
そして女が持っている左腕をひったくるように奪いそのまま逃走した。
案の定、女は追って来なかった。

数日後に同じ場所でまた女が現れた。
私は女の足を確認し逃走した。
ところが女の足は速く、直ぐに捕まった。腕力も強い。
「今日の血は偽物です。足は既に交換しました」
「すっすみませんでした。腕はお返しします」
「腕も足もいらない。今日は別のものが欲しい」
女の顔をよく見ると目の部分が空洞に
なっていた。

私の視界は暗くなり女の笑い声が遠ざかる。暫くして音も無い事に気付いた。女は腹いせで耳まで持っていったかもしれない。
ホラー
公開:21/10/04 12:52

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