4
3

ショッピングモールで鼻をほじくる。
大きな公園で鼻をほじくる。
デパートの屋上で鼻をほじくる。
遊園地で子供たちの前で鼻をほじくる。
昼下がりの商店街で鼻をほじくる。

みんなみんな私が鼻をほじくるのを期待する。
そして満を持して鼻をほじくると、みんなが拍手をして笑顔になった。
その笑顔を鼻の穴から覗くと私も笑顔になれた。

今日はファミレスで鼻をほじくる。最早、無意識に出来てしまう伝統芸だ。
しかし周りの客の反応がおかしい。みんな一様に蔑んだ目をしている。何故だ?いつもの笑顔はどこにいった?
その時私はハッとした。
「今日休みだった▪▪▪」
ハナホジ君の着ぐるみを着ていない私なんてただのハゲ散らかしたおじさん。そのおじさんが鼻をほじくるなんて▪▪▪。
「お待たせしましたミートボール定食でございます」
そう言って店員は足早に私の前を去った。
私はこのミートボールを鼻に詰めたくなった。
その他
公開:21/10/04 10:41
更新:21/10/04 13:47

セイロンティー( Cherry Blossoms island の傍 )

初めまして。昔から小説を書くのが好きでした。ショートショートの魅力に取り憑かれ、日々ネタ探しに奔走する毎日です。
小説のコンセプトは【ドアノブの静電気くらいの刺激を貴方に】です。
皆様、どうぞ宜しくお願い致します。

※ツイッター先にて小説家になろうへのリンクあります。そちらで長編ミステリーコメディーを書いています。よろしければ、こちらもよろしくお願いします。

Twitter
https://twitter.com/K0TvdKqCqJYL1JK?s=09

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容