彼氏彼女の約束

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憧れのクラスのアイドル渚ちゃんを放課後の体育館裏に呼び出して、俺は告白したのだった。

「ねぇ。じゃあ私と付き合うなら約束して欲しい事があるの」
「何?」
「その1。浮気は絶対にしない事」
「もちろんだよ!!」
「その2。会った時、必ず私の服装を褒める事」
「う、うん」

ま、まあ……
それくらいなら……。

「その3。私のわがままは、許す事」
「う、うん……」

どの程度のわがままかにもよるけど……。

「その4。デート中は、必ず私を左側に歩かせる事」
「う、うん……」

うわっ、面倒くせぇ……。
なんだよ、この女。

「それから――」

それからも細かい彼氏彼女の約束を何時間も聞かされ続けた。

「まあこれくらいかな。どう?それでいい?」
「ごめん。俺には無理だ。やっぱり告白はなかった事に」
「あー、よかった。あなたみたいなブサイクと付き合うの嫌だったの」

彼女は、そう毒づいた。
公開:21/10/02 21:59

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

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ブラウン・シュガー
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