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 目の前に伸びた廊下を夕陽が不気味に着色している。

「放課後、北館廊下の話を試そうぜ」
 ユウからの提案に、うーん、と唸り、僕は机に顔を伏せた。
「チカがよ、興味あるんだってさ」
 えっ、チカが?
「三人で行こうよ」
 こ、この声は……チカだ!
 かくして僕らは怪談を検証することになった。

「早く~!」
 先を行くチカが僕らを急かす。
「怖いの?子どもね。私、大人な人が好きだなあ」
 慌てるも、僕より早くユウが進みチカと並ぶ。くそっ!

『夕陽を見ながら走る』
 それがこの廊下での禁忌らしい。
「見てろよ」
 突然、わあ、と叫びユウは一人で駆け出した。抜駆けだ!
 戻ってきたユウはしばらく肩で息をしていたが、ある言葉で僕を凍りつかせた。

「廊下からかえろうか」

 顔をあげたユウはなぜか少し老けたように見えた。だが、そんなユウの顔を頬を赤らめたチカが見つめていた。

何が起きた?
 
青春
公開:21/10/04 09:21
更新:21/10/04 09:40
老化現象?

おおつき太郎

面白い文章が書けるように練習しています。
日々の生活の中で考えたこと、思いついたことを題材にしてあれこれ書いています。


Twitterはじめました。
https://twitter.com/otaro_twi
 

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