一目惚れ

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僕は一目惚れしたんだ。あの少年に。昨日、僕らの村に鏡と言う物がやってきた。どういう物かは知らないが皆が騒ぎ、村はお祭り状態だった。僕はそんな皆を冷めて見ていた。しかし、皆が寝静まった夜。やっぱり鏡が気になった僕は、こっそり鏡を見に行った。祈りの間の中央に鏡は鎮座していた。ビロードの布が掛けられていた。それをそっと取る。目が合う。中に何かいる?人間だ。幼い顔の美少年が、閉じ込められていた。僕はビックリして尻餅をついた。すると美少年も、同様に尻餅をついた。僕はとっさに駆け寄る。美少年も、こちらに駆け寄る。手が触れた。冷たい。僕はドキッとした。そして、ビックリさせてしまったことを詫びる。すると美少年も、同じように詫びてきた。悪いやつではなさそうだ。僕は不憫に思った。こんな狭い所に閉じ込められて見知らぬ地へ連れてこられた、まだ幼い顔の美少年。僕はその時、誓ったんだ。彼を絶対に鏡の中から助けると。
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公開:21/09/30 14:39

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時折、頭をかすめる妄想のカケラを集めて、少しずつ短いお話を書いています。コメントは励みになります。

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