もっと早く!!もっと!!

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階段から落ちた私は、記憶喪失になった。自分が誰なのか、病院で私の両親だという人の事も思い出せない。

「すみません……。分かりません」
「そんなっ……」

私の母だという女性は、その場で泣き崩れた。何だか悪い事をしているみたいな気持ちになった。医者からは、焦らず少しずつ思い出していきましょうと言われた。それから私の母だという女性は、毎日私の病室にやってきた。

「咲、あなたはね。陸上100m走の選手でとても足が速かったの」

私が表彰台の上で1位になっている笑顔の写真を見せてくれた。そっか……。私って足が速かったんだ。

「あのっ……走ってみてもいいですか?」

私は無理を言って外出し、陸上競技場に連れて行ってもらい、全速力で走った。
もっと早く!!もっと!!

すると次々と記憶がフラッシュバックした。

……思い出した。
私の名前は、安藤咲。
女子陸上、未来のオリンピック選手候補だ。
公開:21/09/30 12:19

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

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ブラウン・シュガー
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