行間の世界

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私は産まれた。
  私は今、行間の世界に居る。
  晩年、自伝を書くならば恐らく
  今日という日は行間に埋もれる。
  トピックになりえない節間は
  昨日と明日を繋ぐための
  取るに足りないエキストラなのだ。
  良く言えば規則正しく
  うがれば焼き増しのような一日は
  過去を探る時目に留まる
  鮮やかな原色を帯びてはいない。
  どれだけ声高く叫ぼうが
  全身で表現しようが
  窓のない地下室で踊る事と同じなのだ。
  この世界に光は無い。
  さらなる本文への憧れを燃やす。
  しかし影であるからこそ
  本文が輝く事も理解している。
  そして本文は決して困難な世界
  ではなくたった1歩で到達出来る
  世界である事も十分に理解している。
  私は腐らない。
  残されたスペースに
  後どれだけの本文を記せるだろうか。













私は死んだ。
その他
公開:21/09/30 11:24
更新:21/09/30 11:30

吉田図工( 日本 )

まずは自分が楽しむこと。

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